近頃は本の執筆で忙しい。
心の底から、この本を創りたいと願っていた。
しかし、どのような流れで仕事をするのかも初めてなので自分としては出版社さん側にご迷惑がないよう、常にある程度の時間を確保しておかねばという思いで、しばらくあまり思い切った動きができない。
だからといってあまりにも動かないでいると、本が完成するまでは本の収入が入らないので、それはそれで大変。つまり、本を作るというのは写真家にとってオプションであって、まず別の収入源を得ていないと難しいわけだ。
写真業と本の執筆、この切替が難しい。
正直言って空回りしているが、ひとまずどうにかやっている。
よくアートとしての写真をやりたいのか、本を作りたいのか、どっちなのか?と、そのようなことを質問されることもあるのだが、
僕は写真を撮っているその瞬間そこまで考えていないし、本を作るその気持ち自体は、“自然を伝えたい”という根源的な欲求に則っている。
要するに、無限大に湧いてくる撮りたいという衝動を、抑えることができないのである。
どんな写真であっても、僕の写真であることに変わりはない。
同じ自然啓蒙活動の一環として、これからも本の制作ができたら、それで本望だ。


写真は、オオルリオサムシの3齢幼虫。
大顎は肉食にふさわしい鎌状。
お尻に一対の尾角が備わっていて、ウルトラマン怪獣の「ツインテール」を彷彿とさせる。
幼虫の捕食シーンを観察したところ、この尾角がとても重要なようで、オオルリオサムシ幼虫の場合は、カタツムリが顔を出した時にツンツンと牽制をしていた。
細長い身体になっていて、この形状もカタツムリの殻に入り込むのに役立っているのだろう。
エゾマイマイカブリの幼虫との違いは、あまりないのだが、エゾマイマイカブリの方が大きく、うっすらと青い光沢を帯びていることが多い。
刺々しい見た目は、成虫の鮮やかな色彩とは対照的だ。
よくみると腹部には細かな毛が生えていて、これに似た毛が蛹になってもお腹に生える。
写真はカタツムリを与えた後なので、お腹が膨らんでいる。