黒いオオルリオサムシ(成虫)
黒いオオルリオサムシ(成虫)

昨日まで撮影に行っていた。函館まで行き、そのまま下道の穴場を開拓。道南へはあまり行ったことがなく、全くイメージがつかめていなかったのだ。気になっていたところに沢山行けてよかったが、エゾサンショウウオとエゾアカガエルが沢山いるような理想的な水源は見つからなかった。

最後にさよならのつづきというNetflixドラマのロケ地に行ったら、思いがけず良い炊事場を発掘。

海岸の生物がどれだけいるかは春なのであまりわからないとはいえ、ビーチコーミングにも釣りにも最適。何泊でもできそうなスポットをネットに頼らず見つけた時の感動はひとしおである。

今日は、初めて採集したオオルリオサムシの写真。2015年頃に採集したものだから、もう10年が経つのか。しかし、このオサムシの色は変色したわけではない。もともと、真っ黒だった。

オサムシの輝きは、翅表面わずか1–2 µmの多層膜が作り出す、光の乱反射である。

進化は気の遠くなるほど長い試行錯誤の積み重ね。そして進化のきっかけは遺伝子の小さな誤りの連続だ。

科学は構造色の仕組みまでは明らかにしてきたが、擬態という現象を解明するまでには至っていないのである。

初めてのオオルリオサムシ
黒いオオルリオサムシの写真

自然界には理由のないもの、意味のないもの、結果論が、無数に存在する。

河原の石ころに、「なぜここにあるのか」と問う人はいない、と養老孟司さんはとある本で仰っていた。

それと同じようにオサムシの翅の輝きにも、明確な理由があるとは限らないのである。

投稿者 高橋 レオ

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